赤黒ドギラゴン剣概論A1

赤黒ドギラゴン剣、というデッキをご存知ですか?

いや知らないって人はそもそもこの記事を見に来ること自体が無いとは思いますが。

コッコゲットやトップギアのようなコスト軽減カードからイーヴィルヒートやマナロックに繋げて、バスターへの革命チェンジでフィニッシュする、という動きをボルシャックドギラゴンや革命の鉄拳でバックアップする。

文字に簡単に起こしてしまうとそういうデッキですが、これが強い。

禁断のカウンター性能とこの環境の受けの弱さが相まって、環境の一大トップに躍り出たデッキです。

そして自分のいる調整チーム、ミスティックプラントの何人かが、デッキの黎明期から今まで触り続けていたデッキでもあります。

ですが、そのメンバーの活動している関西では、もうあと2週間はCSがありませんし、2週間もあれば環境は激変するでしょう。
ここ一ヶ月がそうであったように。

ならば、ここまでの赤黒のチームとしての歩みと個人的に赤黒について考えた事を纏めておきたいと考えたので。
ここに記しておきたいと思います。

ですが先にいっておきますがこのデッキ、チームの他のメンバーはまだしも、自分個人は大した成績を出せていません。精々vault準優勝が1回という程度のごくこじんまりとしたものです。
ですが勝てなかったにしては勝てなかったなりに考えていた事もあると言うことで。

こういう考え方をする人もいるんだ、くらいに見ていただければいいと思います。


●赤黒の紀元

第5回DEKKYCS。

クローシスバスターが環境に蔓延し、各所で不毛なミラーマッチが行われていたこの環境を制したのはそれまで構築で全く使われることのなかったコッコゲット、デモンカヅラ、バクアドルガンのようなそれまで構築シーンで全く見ないようなカードをふんだんに投入したカウンター型のドギラゴンバスターでした。

ちなみにこの時自分も同DEKKYCSにお邪魔して見事に予選落ちしているのですがそれはまあ置いておいて。

この時この結果を帰りの鈍行のなかで確認していた自分には、「少し変わった程度のバスターが何故か入賞している」程度の認識しかありませんでした。
ですがそれを、うちのチームのHARUが見逃しませんでした。
「これマナロック突っ込んだら強くない?」

あぁ確かに。それならばコッコゲットとの相性もいい。あとはそれに合うようにギア主軸だった構成をゲット4にしてゲットマナロックのパッケージに寄せる。
これに同チームのうどんくんが同調し、チーム内で何人かが触り始める事になります。

ですがまだこの時は、自分自身は他のメンバーの構築の相談に乗りはしていたものの、まだこのデッキについては興味を持てないでいました。

ですがこの後、ジャックポットCSでのチームベスト8とうどんくんのプライム準優勝の後に、ネックだった天門と同型を単騎マグナムの搭載によって克服し、ミスプラのメンバーの何度かのvault入賞、第7回高槻CSのミスプラメンバーによる1、2、ベスト8フィニッシュ、そしてそれに呼応するように他の様々なDMPがリアルネット問わず赤黒のバスターで結果を出していった事で、一躍赤黒バスターは環境のトップメタに君臨していきました。


(最もこれは関西圏の話であって、関東圏ではまた別のメタの動きかたをしていた様ですが今回は割愛で。)

そしてその分そんなデッキとしてもチームとしても勝どきだった時期に、自分のせいで勝つことが出来なかった平城CSには本当に悔いが残ります。

強さを理解し、自分も赤黒バスターを選択していれば...

そして自分が赤黒バスターについて真剣に取り組みだしたのはこの平城CSが終わってからでした。

そしてこの同型が増えに増えた環境に入って、入ってない相手を一方的に討ち取るためにエンターテイナーを投入し、おやつ関西へと。

まあ、平城CSとこの後、おやつ関西のCS行のもっと突っ込んだ話は次回の毎週CSを見ていただくとして。

そんなこんなで、現在へと至ります。


●赤黒バスターの構造とアーキタイプの本質

ドギラゴンバスターの突破力とカードパワーなんかを見ると、時折これを「今環境最強のビートダウンデッキだ」等と評する人が居ます。

成る程。殴って決着を付けるデッキなのですから、それはそれで解釈としては一理あります。
ですがそれをこの赤黒バスターを構造を踏まえて見直す時、それとはまた別の解釈が出来てしまいます。


DMのデッキには、大まかに分けて3種類のアーキタイプがあります。

1つ目がビートダウンデッキ。

能動的にテンポを取り、クリーチャー戦闘を行い速やかに殴り倒すデッキの大分類ですね。


2つ目がコントロールデッキ。

ハンデス、除去、ランデス、時には能動的なアドバンテージ獲得によるリソース差を付けるなど、様々な方法でゲームを支配し、安全を確保してからフィニッシュ手段に移るアーキタイプの大分類です。


そして3つ目が、コンボデッキです。

これはもう大分類の名前をみれば明白、大なり小なりコンボによる勝利を目指したデッキの事ですね。

環境のデッキ群をこれらの大分類に当てはめるとき、どのデッキをどのアーキタイプに分類するでしょう。

例えばドロマーハンデスは、能動的な動きが相手のリソースを削る事に終始し、勝ち手段を投下するのは相手が反撃出来ないほど制圧仕切った後である場合が多いので、コントロールデッキでしょう。

前環境のトップメタ、赤黒バイクも、トップギア、トリッパーといったカードで取れるテンポをバイクに繋げて速やかに殴りきる事で最大限生かせるようにしており、単体で殴りに行けるカードが多く複数のゲームプランを立てやすい事もあり、文句なくビートダウンに分類出来るでしょう。

そして少し以外に見えるかもしれませんが、ベアフガンはコンボデッキに分類されます。
表面上こそベアフガンの速度によって殴りきるビートダウンの様に見えますが、1コストクリーチャー、ベアッサー、ベアフガンというコンボパーツを揃えて相手が対応出来ない速度でワンショットを仕掛けるという動きは起動スピードの早いコンボデッキそのもの。
あくまでクリーチャーによるコンバットを勝利手段にしているというだけの、3枚のパーツを(キリンを含めれば4枚の)揃えれば勝ち、というコンボデッキなのです。


実はイメンやサソリスの様な、このどれにも分類されないコンボビートという謎の分類が出来るようなデッキもいくつかあるにはある訳ですが。


さて、ここまで例を幾つか出してきましたが、件の赤黒バスター。
果たしてどのアーキタイプに分類されるでしょうか?



答えはベアフガンと同じく3つめ。
コンボデッキに分類されます。

これもまた、あくまでもマナかハンドにアパッチウララー、墓地かハンドにバスター、ハンドにイーヴィルヒートを揃えれば勝ち、というワンショットコンボに勝利手段に頼ったデッキであるからです。

最初に環境に蔓延したクローシス、その派生として産まれたデイガのバスターも同じく分類としてはコンボデッキですね。

これが例えばデアリ型であれば若干解釈が違ってきます。

ギフトマナロックによるロックや超次元などの高いパワーを持ったカード、ギミックによってコンボに頼らずとも殴り殺せる方法が少なからず用意されているからです。

こういうデッキもまた、ビートダウンやらコンボビートやらとまた解釈の難しい別のアーキタイプへの振り分けをするべきなんでしょうが、ここではまあ赤黒には関係ないので割愛で。

そしてこのビートダウン/コントロール/コンボと似たデッキの分類の仕方に、フェアデッキ/アンフェアデッキというものが有りますが、これも今回は詳しくは割愛。因みに赤黒はフェアデッキだと思います。

この、「自分が今触っているデッキがどのアーキタイプであるかを理解した上で調整をする」と言うことは、デッキ構築、調整において凄まじい意味と効率化をもたらします。


例えば、オプティマスループというデッキがあります。

黒単ヘルボロフがトップメタとして君臨していた頃、このデッキにハンドキープのしやすさを目的にエナジーホールや龍覇MASが投入される事がありました。

ですがこれらのカードはハンドキープだけではない、思わぬ副産物をもたらします。

それはMAS+サイバーブックやエナジーホール➡コンボイ➡チャブルチャブルの様なビートダウンをしてしまう事で決着を付けることが出来るというサブプランを自然に搭載することによって、不用意にループだけを止めに出てきたトリッパーや勝利リュウセイを咎める事が出来る、というギミックでした。
勿論無理矢理相手がビートダウンを止めに行こうと除去でそれを警戒してくるのならばそれを尻目にコンボに向かうことだって出来る。

実際、知り合いが無理矢理QED+でビートダウンしてそれを止めようと相手が奮闘している間にループが決まってゲームが終わる、なんて事も何回も見てきましたし、違う角度の勝ち手段はいつの時代も強力だと思わせてくれる一つの実例な訳ですが。

さて、もしここで、オプティマスループというデッキが本来コンボデッキである、という事を見失って、或いはそもそも知らないうえでデッキを調整していけばどうなるか。


ビートダウンを完遂しやすくするために勿論エナジーホールやMASはガン投、両刀だってするかもしれません。

そうだ、ビートダウンに邪魔だからコートニーは減らそう。

MASやエナジーホール等といった決定力のないカードじゃビートダウンが完遂出来ない可能性がある。
じゃあ決定力を上げるためにベアフガンを積もう。(黒歴史)

最早何デッキか分かりませんよね?


これはまあ流石に極端な例ですが、もっと細かい部分でそういう構築ミスが出やすくなるかどうかという所に、アーキタイプの把握というのは凄く意味を持っていると思います。

それらを理解しているということは、デッキの動きの本質、目的を理解出来ているという事でもあり、デッキの目的が理解出来ていれば積むべきカードは自ずと見えてくる筈ですから。

貴方だって赤黒バスターにベアフガン、積みたくないでしょう?



●赤黒バスターの強みとは何か

さて、前とは一転ガラリと別の話題になりますが、赤黒バスターの強みって何でしょうか?

コンボによる突破力?
成る程一理あります。あんな突然降ってわいたようなワンショットを安定して咎めるとなると難しいかもしれません。
ボルシャックドギラゴンと革命の鉄拳、ドキンダムでのカウンターによる他のアーキタイプとの差別化?
それも一理あります。単騎マグナムと合わさった返しのターンのこれらのカウンターによる反撃を防ぐのは容易ではありません。

ですが大事なのはそれだけではありません。
いやそこではありませんと言うべきでも有るでしょうか。

自分が考える赤黒バスターの強みとは、"要求値"です。
(実際の所、要求値という単語自体は、確率論に乗っ取ったこのデッキAから一定の枚数のカードBを引く率、といった値の事を差しますがそれよりは今回の場合余程抽象的にこの要求値という単語を使っていますお兄さん許して)


アナデッドというデッキがあります。

ライフ解体ブラックサイコからのホール連打による速やかな打点形成とデッドゾーンによる盤面制圧力。
そしてガロウズホールによってそれらの強力な侵略クリーチャーを使い回すことによるコントロール戦略により、一時代を築いたアーキタイプです。

ですがこのデッキ、結局は環境の終盤に赤黒バイクに淘汰され、滅んで行くことになってしまいます。
別に赤黒バイクとの相性も悪くはない、結局GP2ndの勝ち組となったブライゼシュート、マーシャルクロウラーループにも勝つことが出来た。

ならば何故か?

その答えこそが今回のトピック、"要求値"であるからです。


例えば結局前環境のトップメタとして生き残った赤黒バイクは、先手後手に関わらず強力なトップギア、そして先手で絶望的な威力を発揮するトリッパーという初動のカードこそ強力でしたが、その後のバイク侵略という動きこそがデッキの核であり、その動きのインパクトと殴りきりまでの速度はバイク+侵略先というパッケージさえ揃っていれば最悪ギアトリッパーを引いていなくてもゲームプランを立てることを可能にしました。

つまり、
・4枚のトップギアを引く
・4枚のトリッパーを引く
・8枚のバイク+10~12枚の侵略を引く
のどれかを達成出来ていればデッキの動きに支障が無かった訳です。

その点アナデッドは、フェアリーライフやジャスミンの様な大抵8枚しか入っていない2コストのブーストカードを引いていなければ先手で解体ジェニーを投げない限りほぼ必ず立ち後れて勝負にならなくなります。
更にアナデッドの場合、コントロールする時はコントロールする為のカード、盤面やハンドを裁くときは盤面やハンドを裁くためのカード、受けるときは受けるためのカードをそれぞれ引いていなければなりません。
自分は引ける、問題ないと言えるほど毎回回答を持ってこれる引きの強さがあるならそれでも構いませんが、大体のひとはそんな都合のいい人間力持ってませんよね?

こうした場面場面の、ゲームプランをたてる際要求されるカードの幅が狭い、つまり要求値が高いデッキであったからこそ、相性のいいデッキ相手にも事故で落とすことが少なくなく、環境から没落していった訳です。


そして翻って件の赤黒バスター。

トップギア、コッコゲットの様な生き残らせたら負けるようなパーツも相まって相手に後手後手な動きを強要させることで相手の要求値を必然的に上げること。
極論4、5ターン目にワンショットのコンボパーツを揃えて叩きつけることさえ出来るなら大体どんな引きかたをしていてもゲームプランを立てることが出来ること。

これは、バスターというアーキタイプがコンボデッキであるというのも一因としてありますね。
コンボさえ起動してしまえば勝てるのですから、コンボパーツと、相手の妨害をかわすカード(受けもこれに含まれますね)、コンボを揃える為のカードのみに構築の中身を終始してしまえばいいのですから。

そして、最初に全く関係ないとでも言うようにあしらった、ボルドギ鉄拳を使った受けの存在。
これも実は重要で、これらをハンドに多目にキープしておけば、最悪バスターのコンボパーツが揃うことすら無くても盤面を返してそのままゲームを決めてしまえる為、それをゲームプランとして進めることが出来る事。

ハンデスが減っていくという環境の推移も相まって、場面ごとのゲームプランを立てるときに要求されるカードの幅がかなり広い、即ち要求値がとても広いものであったのです。

"赤黒バスターに相性がいい"と呼ばれるデッキは沢山ありますが、そのようなデッキでも、大体はいって6割位が限度であると考えていますし、その一番大きな理由もこの要求値が赤黒バスターとその他のデッキでかなり差があるからですね。


これが赤黒バスターの最大の強みだと、自分は考えます。


「トップメタの条件は、カードパワーと環境にあった速度と安定性のうちのどれか、又はその全て」とはちらほら聞く話ですが、安定性とは即ち要求値の低さですし、赤黒バスターというデッキは正にその要求値の低さを体現したデッキです。


そしてこのデッキの要求値というのは、デッキ選択という部分で非常に大きな役割を持ちます。

思い返してみれば、往年のトップメタ、ガネージャ墓地ソースや黒単ヘルボロフ、赤黒バイクなんかは全て要求値の低さが強みの一つとしてあった訳ですから、そういうデッキを選択出来るだけでその大会を通じて必要な運の要素を減らすことが出来てしまいます。

たまに(って程でもないですが)twitterなんかで、やれ「事故って負けた」だの「自分引きめっちゃ弱い」だのと言っている人を見かけますが。

まあ確かにDMもTCGです。事故って負けることは有るでしょう。
ですがそれは、ただの運ではない可能性って、思い返したら結構ある筈なんですよね。寧ろ本当の運負けって結構少ないと思います。
そのプレイは本当に正しかったのか?
メタ読みは正しかったか?
そして、

そのデッキは、本当に正しかったのか?


要求値の高さとは、即ちそのデッキを使う際に必要な運の量の高さです。

仮に先ほど話したアナデッドを使って、「ブースト引けなくて死んだ。自分は運がない」等と宣われても「いやそんな期待値高いデッキ使ってそんなこと言っても説得力皆無だよ」という話なのです。

人間という生物がスカウターの如く自分の運を具体的な数値にして認識出来ない以上は「自分の運の量に見合ったデッキ選択を」とはなかなか言いづらい物ですが、デッキごとの期待値を認識することである程度の指針にすることは出来ます。
ならばデッキを選ぶ段階での間違いをこれを知ってるだけで減らすことは出来るでしょう。

別に一つのデッキを回し続ける事のみで正解を得られる訳では無いのですから。


●赤黒バスターにおけるテンポと構築

さて、ここまで赤黒バスターの基本的な事とデッキを自分で組みたがりの方には「当たり前だろ舐めてんのか」と怒られかねないような事をつらつらと語ってきた所で、実際の構築について話していこうと思います。
これが最終的に藤枝で使った赤黒バスターです。

『7月24日 第5回藤枝CC 赤黒バスター』

4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣
4 x 絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート
4 x 革命の鉄拳
4 x ウソと盗みのエンターテイナー
4 x 龍友伝承 コッコ・ゲット
4 x ボルシャック・ドギラゴン
3 x メガ・マナロック・ドラゴン
3 x ゴーゴー・ジゴッチ
3 x 単騎連射 マグナム
3 x 勝利のアパッチ・ウララー
2 x 熱血提督 ザーク・タイザー
1 x 爆炎シューター マッカラン
1 x 禁断~封印されしX~/伝説の禁断 ドキンダムX
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 紅蓮の怒 鬼流院 刃/バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ
1 x 時空の指令 コンボイ・トレーラー/司令官の覚醒者 コンボイ
1 x シルバー・ヴォルグ/撃墜王ガイアール・キラードラゴン
1 x ウコン・ピッピー/星龍王ガイアール・リュウセイドラゴン
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック

この時点での仮想敵は、

赤黒バスターやその他の各種バスターデッキ
緑単サソリス
天門
イメン
ドロマーハンデス
ベアフガン
赤黒バイク

残りの雑多なデッキは速度で押すデッキでない限り、バスターのインパクトには耐えられないと判断してある程度切っています。

この環境のデッキ達に共通している事に、ブーストピピハンや特攻ジェニー等を用いて高速でこちらのバスターのコンボパーツを抜いてくるデッキがかなり少ないことが挙げられます。精々イメンとドロマーハンデス程度の物です。
なのでこちらも展開を急ぐ構築にする必要が無い上、リソースの供給手段がほぼ無くても成り立つと考えました。


さてここでで。
赤黒バスターがコンボデッキであるというのは先ほど語った所ですが、コンボデッキにおける一番効率のいいテンポの稼ぎかたって何でしょうか?

この質問をされて、起動できるターン自体を早める、と答える人って、なかなか居ないとおもいます。

ちょっと考えれば誰でも分かることです。
キープできるハンドの枚数が減るとそれだけコンボが可能なマナ域に早く到達したところで起動するためのパーツが手札に揃えられず結果として本来よりもコンボに入るターンが遅くなってしまいますから。

ブライゼシュートを想像してみると分かりやすいかも知れません。

ブライゼを投げないとコンボが起動しないなら、フェアリーライフを4積んで更に高速にしよう!なんて正気の沙汰ではない事考える人は居ないと思います(いたら申し訳ないですが)。

つまり、能動的な高速化を行うよりも、起動可能なターンに確実に起動できるようハンドキープを徹底する事が、コンボデッキにおける最大のテンポの取り方なのです。

このデッキをパッと見て、「トップギアが入ってないのはなんでや」って思った人がいるかも知れないですが、この二つが積んでいない理由ですね。
環境が積まなくてもその速度を許容し、尚且つ積むとハンドキープがしんどくなるのであれば、それを積む必要はありません。

勿論環境が変われば積む必要は出てくると思います。
ベアフガン、赤黒バイクの様な高速で処理出来ないパワーラインでビートダウンを仕掛けるデッキや、イメンの様な2→4でブーストからピーピングハンデスを挟んでくる相手には、前者には先手時の勝率のため、後者にはアクティブに動けるカードを増やすことでハンデスに耐性が付くという仕事があります。

まあ、そんなデッキが増えるなら自分なら大人しく赤黒バイク使いますけどね()

そしてそれ以外に、その前のおやつ関西で圧倒的なシェアを誇っていた赤黒バスターのミラーを制せる様に、除去と妨害を増やし、ある程度戦いやすくしているんですが、それについてはまた後述。

そしてこのデッキ、ハンドキープに気を付けないといけない都合上、各デッキ相手の立ち回りかたが各々割と違います。
各デッキごとに説明していきます。

VS赤黒バスター (5割)

これは自分と相手が同じ構築である場合の勝率ですから、当然5割です。
先手ならゲットと鉄拳、後手だとエンテイをキャスト出来るまで受けに回るためそもそもあまり動けないですが、鉄拳とエンテイは握っておきたいです。
この対面は、先手はゲットか後続のエンテイを除去されなければ勝ち、後手はゲットを除去してエンテイの立てあいを制すれば勝ち、と言いたいところですが、結局のところそれらはバスターをその後に構えられるかどうかで容易に捲る事が出来るため、パーツをキープしやすいのが後手の分、先手後手での差はあまりありません。
ゲットがいればボルドギをキャストして相手のエンテイとバトル→革命チェンジ、と盤面を一気に返せるため、ゲットを除去出来ないとコンボパーツが揃っている揃っていないに関係なく厳しい試合展開を強いられます。


VSクローシスバスター (6割)

赤黒の対面と違って除去を握りこむ必要は有りません。
後手でカウンターで返すしかない手札の場合のみで大丈夫です。
先手で動かれるとムシャ→バスターと飛ばされる可能性がありますが、その後にカウンターを構えられる分此方が有利です。
シャッフが入っている場合でもシャッフをキャストする分相手も1ターン遅れているので、割と普通に戦えます。


VSデアリバスター (6割)
先手なら除去を1枚握りたいです。ギフトマナロックを処理出来れば相手のハンドは尽きかけなためコンボ達成には向かいづらいので。
テンプレートなデアリ型ならば、相手は基本的にマナロックチャブルチャブルしか勝ち筋が無いため、勝ち越すことが出来ます。
ムシャを積まないといけない環境になった手前、チャブルチャブルが余計に決めにくくなっており、ライフギフトマナロックの時点で高い要求値が更に跳ね上がっています。


VS緑単サソリス (5割)
先手でも後手でも除去、ゲットを握りたいのと、先手ならジゴッチを握りたいです。
相手がブーストヤドックと動いてくるとき、そのヤドックを除去出来ないと殆ど勝負が決まってしまいます。
ここでヤドックを処理出来れば、2枚目のヤドックさえ来なければジゴッチで先にパーツを回収しておけばバスターを飛ばしてゲームを決める事が出来ます。
2体目のヤドックが飛んできたら負け濃厚ですが...

とはいえヤドックを2ターン連続で出していた場合、これもハンドが1~2枚なのでサソリスの龍解をストレート行うのは難しく、若干時間を得られる事と、そもそも2コストブーストを決められない可能性を考えたら、勝率は5割程度はあると考えます。


VS天門 (6割)

先手後手問わずゲット、マナロックがあったら握ります。
単騎マグナムは出来れば握りますが3投している場合そんなにハンドに死守する必要はありません。
相手が動く前にゲットマナロックを決める事が出来れば大体は勝つことが出来ます。
先に相手がフェニックスライフを撃っいていた場合はその限りでは無いですが。
単騎マグナムはあるのにマナロックが無い、という場合は大人しくバスターを投げるのが無難です。


VSイメン (4割5分)

ゲットは可能な限りキープ、エンテイも出来る範囲でキープします。

相手がブーストから此方の妨害に繋げるデッキではありますが、相手が使ってくる妨害がパクリオであり、ヤドックとは効きかたが大きく違う分、コッコゲットやエンテイが動きやすいので、そちらを優先します。
ですが相手がヤドックをキャストしてくる場合とキープするカードが違う上、パクリオでコンボそのものを封じられてしまうのでヤドックをケアすれば終わりな緑単相手よりもやりづらいです。

そこまできつい要素が揃っていてこの勝率なのは、ひとえに要求値、ジャスミンのせいなんでしょうかね...


VSドロマーハンデス (6割)

ザークタイザーを踏ませれば勝ちなので全力キープ、それを持ってこれるジゴッチと時間を稼げるエンテイはキープします。
ザークタイザーを踏ませれば勝ちです。
雑かも知れませんが、このデッキがハンデスを突破する方法がトップからイーヴィルヒートを引くかザークタイザーをキープするかしか無く、ザークタイザーが入ってないとお世辞にもいい相性とは言えないので、本当にこれがメインの勝ち筋となります。
ザークタイザー革命チェンジバスターが決まればオリオティスジャッジも怖くないですからね。


VSベアフガン、赤黒バイク (4割5分、4割)

言わずもがなですがカウンターのカードをキープ、先手ならエンテイをキープします。
先手を取って各々相手のベアッサーやギアトリッパーに当てられれば勝ち、後手ならベアフガン、ドキンダムの様な処理しきれないサイズのダイレクトを食らってほぼ負け、です。

ですが、この1コストベアッサーベアフガンという動きも、先手でそう毎回毎回決められるかと言われるとそうではありませんし、相手が最速でベアフガンを立ててこないのであればこちらも除去なりエンテイなりで処理する事が出来ます。
バイク相手の場合、相手の禁断解放を受けるとドキンダムを防ぐ方法が無く、ギアトリッパーを引かれなくても後手だと厳しいものがありますが。


7割取れるマッチアップがほぼ無いため大体何と当たっても「うわ嫌なのと当たったなー」って思ってましたが赤黒バスターのミラーは「練習めっちゃしたし勝ったわ」って思ってたとかなんとか。(そして大体轢かれて負けてました)


あとは重要な所のみ各カードの解説を(話の繋ぎ思い付かなかった並感)。


・コッコゲット4

このカードの役割は、ただ単にドラゴンのコストを軽減させるだけではありません。
まず一つめに、ヘイト稼ぎ。
このカードを序盤に立てられた後のアクションは、マナロックやイーヴィルヒートバスター、ボルドギバスターでの場面突破などの相手からしたら半分決着が付いてしまう様な動きばかりです。(バスター側からしたらそんな上手い動きそうそう毎回決まりはしないんですけどね。)
なのでこのカードは絶好の除去の的になりますし、これを出すことで相手の要求値を劇的に上げることが出来ます。
そしてもう一つが、得られるアドバンテージの量。
このカードの2コスト軽減という能力は、2ターン分のテンポを得られると同時に、ハンド1枚分後の展開する時のハンドの消費を押さえることが出来ます。
トップギアと一番違う所はここで、この1枚分のハンドアドは実際結構馬鹿になりません。
トップギアを抜いてしまっている以上、フェアリーライフを軸に展開する相手にはコッコゲットが無いと立ち後れてしまうこともままありますし、序盤に担える仕事量は4枚積むのに充分なので、4枚確定です。


・ゴーゴージゴッチ3

先程も書いた通り、テンポの獲得には確実に起動ターンにコンボパーツを集めることが最も効率のいい方法である、という考えのもと採用されたカードです。
このカードを緑単相手の先手等開いたターンに置く事でハンドを稼いだり、(このマッチアップは除去を持ってない場合相手のヤドックでブーストしてボルドギを叩きつけるプランを取るので、ハンドキープとしても進化元としても有用です。)ハンデス相手に無理矢理ザークタイザーを引っ張る事が出来るので多目に採用しています。
これを3投しているお陰で本来腐り札なザークタイザーの採用枚数を2で抑えることが出来ているので、プレイする際の自由度も上がりますからね。


・アパッチウララー3

「なんで4じゃないの」と聞かれる事があると思うので。
理由は大まかに分けて二つです。
一つはエンテイが4投されているから。
実はこのデッキ、バスターから無理矢理ジャスキルしに行くよりもエンテイを立ててフルパンで止めた方が強い場面が少なくありません。
緑単相手、イメン相手や赤黒バスター同型が主なそれです。
エンテイを主軸にして構築した上で、エンテイでケアするプランを取れるのならば、トップギアを採用してないせいで手からのキャストが難しいアパッチウララーは3になりうると、そう判断しました。
もう一つは、多色の枚数での兼ね合いです。
エンテイ4、イーヴィルヒート4、ウララー3、そしてバスター4。これで15。
いくら黒色が欲しいからと言って、これ以上多色を増やすと事故を起こす。
こればっかりは結構感覚論が入っていますが、赤黒多色11で黒が足りずに負け、という試合がスパーリングの内に殆ど無かったので、これ以上増やす必要はないと考えました。


・単騎マグナム3

単騎マグナムの主な役割は2つ。
1つは、天門の詰めに出して殴りにいく事。
もう一つは、クリーチャーに受けを依存するデッキ相手に詰める事。
実際の仕事はたったこれだけですが、それに3枚もスロットを割いているのは、ひとえにこのカードが「握れるカードではない」からです。
前者は初手に引いた場合そのままそれを握り込めるのでまだいいですが、後者の場合バスターを投げるまでの所でほぼ必ず埋めざるを得なくなってしまいます。ハンドに鎮座していても仕事をしない上に、単色で埋めやすいので。
ですがこれを想定した場合、1の単騎マグナムを相手の攻撃を受ける際に必死に堀に行かなければならず、ほぼカウンター要員としての意味を成さなくなります。
その点3にしておけば、1枚埋めてもカウンターする際にハンドにある可能性、掘れる可能性がぐっと上がります。
天門相手にも、複数あって困るカードではありませんからね。

ミスプラでこの部分を相談している時に、「単騎マグナムとエンテイというメタ枠に6枠も割きたくない」という意見もありました。
ですが、ここまで見ての通り、エンテイと単騎の役割も刺さる相手も丸っきり違います。
勿論その分、エンテイには天門を防げないという、単騎にはバスターで出ない、殴り手に出来ない、等のメリット、デメリットはありますが、使い分けが利くのであればカードとカードの同一視はあまりしたくないと、自分は思います。


・マッカラン1
ここは、おやつ関西優勝の赤黒バスターを組んださいたま君の思想を丸っきりパクッt リスペクトした枠ですが、同型のゲット、エンテイ、緑のヤドック、黒単ヘルボのマグナム、青白サザンのオリオティス等、苦手な所にピンポイントに刺さるカードです。
赤黒バスターのミラーのような、除去の応酬によるマウントの取り合いになるマッチングでは、どうしても除去を引けず即負け、の様な盤面が発生してしまいます。
その為、鉄拳4では全く足りません。その為の追加の除去になるのが、このカードという訳です。
ただ一見先程抜き出したアーキタイプに対して、万能かと言われると案外そうでもありません。
メタクリーチャーには思いっきりぶっ刺さるものの、それ以外の一番の核、サソリスやヘルボロフの様なカードたちには手も足も出ないからです。
過信は禁物。4ターン目まで使い道が無いようならさっさとマナに置いて仕舞いましょう。


あとは幾つか「何故入ってないの」と聞かれそうなカードについても幾つか抜き出します。


・ハヤブサマル
ドキンダム、ベアフガンの様なウララーボルドギ位でしかケアのしようがない殴り手をキャッチ出来、此方が禁断解放しなくても相手のバスターを防ぎきる事が出来るという痒い所に手が届くハヤブサマルくんですが、
・バイク、ベアフに後手を取ると4マナになかなか届かずそもそも出せないこと
・ハンドキープが難しく、これを埋めざるを得ないシチュエーションが頻発したこと
から採用を見送りました。

HARU激推しのカードだったのでハンドキープに自信があるなら試してみてもいいかもしれないです。


・リバイヴホール

汎用性の高い純粋なコンボパーツですが、
・メタクリーチャーの餌食になりやすい
・ゲットジゴッチの恩恵を受けづらい
・ボルドギ鉄拳の外れが増える
等の理由で採用を見送る事に。
特に1つめの理由はでかく、赤黒バスターにもそれを対策するデッキにも引っ掛かるようなカードを積むことは出来ませんでした。


・バクアドルガン

・単体で仕事をしない
・単体で仕事をしない
・単体で仕事をしない
・単体で仕事をしない

本当にこれだけですが、コンボパーツが無いからこれで取り敢えずワンパン、は負けのパターンだったので採用を見送り。
単色でバスターのコンボパーツというのは有り難いのですが、バスターを引けているかどうかにそのスペックの大半が依存してしまっているカードは流石に採用出来ないです。


・デモンカヅラ、ベロリンガー
これ等のカードは、バスターからいきなり殺しにいけるパターンが増える為結構強力だったのですが、
・多色であること
・単体で効果を起動しようとするとハンドが脆弱になり、盤面も中途半端な為相手にアド差で負けてしまう事
等が原因で解雇に。
ベロリンガーは最近は2コストブーストで始動するデッキが増えてきたのでまた強くなるかも知れませんね。


・トップギア

ここまで散々ボロクソ言ってきたトップギアですが、トップギアが輝く環境もあります。
それは、一撃奪取サイクルを含め、2コストブーストを使うデッキが環境に増えてきた場合です。
これ等のデッキは、2→4→5で自分のキャストするカードよりもスペックの高いカードや除去を展開していく為、後手を取ってしまうとほぼ立ち後れてしまいます。
そういう相手にギアをキャストすれば、その除去に対してのヘイトを早い段階で向かわせられ、使えるカードの選択肢を一段階早められるので、コッコゲット軸では不可能だった立ち回りを可能にします。
この構築、この環境では日の目を見なかったカードですが、このバスターメタが進んできた今、再びこのカードが輝くかもしれませんよ?





大体はこんなところですかね。

常々デッキの解説を見てても、どういうプロセスでこのデッキを組んだのか分からなくて、カードごとの説明だけでは納得出来ないと思うことが増えていました。
プロセスが分からないという事は、そのデッキの強みも分からないという事です。
これは不味い。(自分の理解力の無さが)
なのでそのプロセスも含めて今回は説明させて貰ったつもりです。
代わりに読む気が失せる人が出そうなレベルで長くなりましたけど...

ですが個人的には長い記事って好きなので、みんなどんどん書いてくれてええんやで自分が読みたいから(池沼並感)


この記事を書いている間の一週間にも、
環境は刻々と変わってきています。
赤黒バスターが強烈にメタられ、少しづつそれに勝てるデッキにまた環境がシフトされてきている。

権利戦という地獄のワードのお陰でまだ今までよりは激変って程でもない気がしていますが。

仮にこの赤黒バスターというデッキが、ここからまた再浮上しようとも、それとも没落し、地雷として残るか、又は完全にメタから葬り去られようとも、このデッキがこの環境のトーナメントシーンに遺した確かな爪痕は。

その後の構築の技術、パターンとして、忘れ去られはしないと思います。多分。


自分がこのデッキを触ったのは1~2週刊程の短い間でしたけれど。
相談に乗ってくれたミスプラの面々には感謝を。

また住道で何かの間違いでこの構築を使うことになるのならその時は宜しくなんて都合のいいことを宣いつつ。

取り敢えず先に遅れに遅れた毎週CSと、Revfのデッキを完成させて仕舞おうと思います。

それではこの辺で。
このくそ長い記事を飽きずにここまで読みきって下さった有り難い方々、有り難う御座いました。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

25

Author:25
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR